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​「忙しくて改善できない」を卒業する。業務の棚卸しの正しいやり方と項目整理のコツ

目次

​なぜ「業務の棚卸し」をしないと、いつまでも楽にならないのか?

​毎日、目の前のタスクをこなすだけで精一杯。改善したい気持ちはあるけれど、そのための時間を確保することすら難しい――。

そんな「改善の負のスパイラル」に陥っている現場に共通しているのは、「何に、どれだけの時間を、何のために使っているか」という事実が、誰の目にも見えていないという点です。

​「業務の棚卸し」と聞くと、年末の大掃除のような大掛かりなイベントを想像するかもしれません。しかし、本質的な棚卸しとは、単なるリスト作りではありません。自分の「持ち物(タスク)」を一度全て机の上に出し、それが「本当に必要なものか」「もっと軽くできないか」を選別する判断のプロセスです。

​10年近く現場の交通整理(PMO)を続けてきた中で、私は「棚卸しができていない現場」が例外なくパンクしていく姿を見てきました。逆に、正しく棚卸しができたチームは、驚くほど短期間で「余裕」を取り戻します。

​失敗する棚卸し、成功する棚卸し。その差は「解像度」にある

​せっかく時間をかけて業務一覧を作ったのに、結局何も変わらなかった……。そんな経験はありませんか?

失敗する棚卸しの多くは、書き出された項目の解像度が低すぎることが原因です。

​意味のない棚卸しの例

  • ​「月次報告書の作成」
  • ​「メール対応」
  • ​「打ち合わせ」

​これでは、どこに無駄があるのか、どこを自動化できるのかが分かりません。

成功する棚卸しは、これらを「動作」のレベルまで分解します。

​解像度を上げた棚卸しの例

  • 月次報告書の作成:
    • ​3つのエクセルからデータをコピーして1つにまとめる(転記作業)
    • ​異常値がないか、去年のデータと比較する(判断作業)
    • ​PDF化してチャットツールで送信する(配信作業)

​ここまで分解して初めて、「転記作業はツールで自動化できそうだ」「判断の基準さえ決まれば、他の人にも頼めるはずだ」という具体的な改善策が見えてきます。

​狙うのは「名もなき付随業務」の可視化

​多くの業務改善コンサルティングが、基幹業務(売り上げに直結する仕事)の効率化を説きます。しかし、現場の担当者を本当に苦しめているのは、その周辺にこびりついた「付随業務」です。

  • ​ファイル名に「最新_20260131」と手入力する時間。
  • ​承認をもらうために、上司の機嫌を伺いながらチャットを送るタイミングを測る時間。
  • ​システムに入力するために、紙の伝票を読みやすく並べ替える時間。

​これらは「業務フロー」には出てきませんが、確実にあなたの時間を奪っています。

今回の棚卸しでは、こうした「名前はついていないが、確かに存在し、時間を消費している作業」をあぶり出すことに主眼を置きます。ここを整理するだけで、業務の「淀み」は劇的に解消されます。

​【実践】業務の棚卸しを進める5つのステップ

​では、具体的にどう進めるべきか。10年の実務経験から導き出した、最も効率的で漏れのない手順を解説します。

​ステップ1:期間を決めて「やったこと」を全て記録する

​記憶を頼りに棚卸しをすると、必ず「細かいけれど面倒な仕事」が漏れます。まずは1週間、自分が何にどれくらいの時間を使ったかを、15分単位でメモすることから始めます。

​ステップ2:タスクを「4つのカテゴリー」に仕分ける

​書き出したタスクを、以下の4つに分類します。

  1. 判断を伴うコア業務
    あなたにしかできない、価値を生む仕事。
  2. 判断を伴わない定型作業
    ルールが決まっていて、誰でも(あるいは機械でも)できる仕事。
  3. コミュニケーション
    確認、相談、報告、調整。
  4. 例外対応
    突発的に発生した、想定外の仕事。

​ステップ3:各タスクの「目的」を問い直す

​その作業、実は「昔からやっているから」という理由だけで続いていませんか?

「このアウトプットは誰が、何のために使っているのか」を問い直し、答えが曖昧なものは思い切って「やめる」候補に入れます。

​ステップ4:手順の「ロジック」を抜き出す

​「定型作業」については、その手順を「もしAならB」というロジックに置き換えていきます。この言語化のプロセスこそが、業務の解像度を上げるための核心部です。

​ステップ5:優先順位と「箱」を決める

​最後に、どの業務を「やめる」か、どの業務を「仕組み化」するか、どの業務を「誰かに任せる」かを決めます。

​棚卸しの後に待っている「自動化」への最短ルート

​棚卸しが完了し、業務の解像度が上がると、自ずと「道具(ツール)の使い方」が変わります。

​「業務が忙しいからツールを入れる」のではなく、「ロジックが固まったから、それをツールという箱に入れる」。この順番を守るだけで、IT導入の失敗はほぼゼロになります。

​例えば、棚卸しによって「データの転記」が諸悪の根源だと分かれば、そこで初めてPower AutomateやGAS(Google Apps Script)といった自動化ツールの出番です。解像度の高いマニュアルがあれば、AI(ChatGPTやGemini)に「この手順を自動化するコードを書いて」と依頼することすら可能になります。

​網羅性を高める「業務棚卸し項目」のチェックリスト

​棚卸しを始めようとして手が止まってしまう最大の理由は、「何を書けばいいか分からない」ことにあります。ここでは、バックオフィス業務において見落とされがちな項目をカテゴリ別に整理しました。これをなぞるだけで、あなたの「隠れた業務」が浮き彫りになります。

​1. 定期発生する「ルーチン業務」

  • 日次
    データの入力・突合、メールの仕分け、日報の確認
  • 週次
    支払処理、勤怠チェック、週報の作成、備品の発注
  • 月次
    請求書の発行・発送、月次決算サポート、給与計算の補助

​2. 名もなき「付随業務」(ここが改善の宝庫!)

  • 検索
    過去のメールやファイルを探す時間、規定を確認する時間
  • 確認
    上司への進捗報告、他部署へのリマインド、不明点の問い合わせ
  • 整形
    データの全角・半角直し、ファイル名の変更、印刷・スキャン作業

​3. 非定型の「プロジェクト・改善業務」

  • イベント
    社内行事の準備、健康診断の手配、契約書の更新管理
  • 改善
    新しいツールの検討、マニュアルの修正、ワークフローの整理

​棚卸しを行う際は、これら一つひとつに「頻度(毎日・月1など)」と「所要時間」を書き添えてください。合計したときに、あなたの1日の労働時間を超えていれば、それは「解像度が低いために効率が落ちている」決定的な証拠です。

​ひとり総務が陥る「自分がやったほうが早い」という呪い

​「うしろぽっけ」が特に支援したいと考えているのが、小規模なチームや「ひとり総務」で奮闘している方々です。こうした現場で棚卸しが進まない最大の壁は、スキル不足ではなく、「自分がやったほうが早い」という心理的なブレーキにあります。

​なぜ「自分がやったほうが早い」は危険なのか

  • 思考の停止
    手順を言語化する手間を惜しむことで、改善のチャンスを自ら捨ててしまう。
  • リスクの増大
    あなたが体調を崩した瞬間、その業務は誰にも触れない「ブラックボックス」になる。
  • 成長の停滞
    作業に追われ続け、よりクリエイティブな「仕組み作り」に時間を使えなくなる。

​棚卸しは、誰かに仕事を奪われるための作業ではありません。あなたの「頭の中」を外に出しあなたが不在でも回る仕組みを設計するための「自分への投資」です。10年のPMO経験で見てきた「止まらない組織」は、例外なくリーダーがこの呪いを解き、自分の仕事を「見える化」していました。

​「うしろぽっけ」に余裕を作る、四半期に一度の定期検診

​棚卸しは一度やって終わりではありません。業務は生き物のように日々変化し、増殖していくからです。理想的なのは、四半期(3ヶ月)に一度、自分の「後ろ側のポケット」を空にする時間を作ることです。

​継続するための仕組み化

  1. カレンダーに予約する
    3ヶ月後のカレンダーに「業務の定期検診」として2時間を予約してしまいます。
  2. 変化を記録する
    「3ヶ月前には手作業だったことが、今は自動化されている」という実感を数値で記録します。
  3. 捨てる勇気を持つ
    棚卸しで見つかった「誰も見ていない報告書」や「形骸化したルール」を、勇気を持って廃止します。

​この繰り返しによって、あなたのポケットには常に「新しいことに挑戦できる余白」が生まれます。この余白こそが、バックオフィスが「コストセンター」ではなく、組織を加速させる「エンジン」に変わるための鍵です。

​ロジックの整理が、あなたを自由にする

​業務の棚卸しは、地味で、時に苦痛を伴う作業かもしれません。しかし、自分の仕事を一文字ずつ丁寧に言語化し、解像度を上げていくプロセスは、自分自身の働き方をデザインする最高の手段です。

​「忙しくて手がつけられない」という言葉を、「仕組みを作って、もう忙しくならない」に変える。

そのための道具は、既にあなたのポケットの中にあります。あとは、それをどう整理して使うか、決めるのはあなた自身です。

Next Step

あなたの「持ち物」
整理できていますか?

「業務の棚卸しが必要なのは分かった。でも、今の私の状態は本当にそんなに悪いの?」
そう感じたなら、まずは客観的な「点数」を見てみませんか。

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