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​【PMOに向いている人】「司令塔」なんて幻想だ。嫌われ役を買って出て、会議の空気を支配し、カオスな現場を整地する「プロジェクトのペースメーカー」の才能5選

目次

​「スマートな参謀」? いいえ、あなたは「泥臭いペースメーカー」であり「会議室の猛獣使い」です。

​「PMO(Project Management Office)になりたいです。プロジェクトマネジメントに興味があるし、リーダーを支える参謀役にかっこよさを感じるからです!」

もし面接やキャリア相談でそう目を輝かせている人がいたら、私は現場の「修羅場」を優しく、しかし残酷に伝えます。

​「では、進捗報告を無視し続けるベテランエンジニアの席まで行って、『あの件、どうなってますか?』と笑顔で5回聞けますか? 炎上して怒号が飛び交う会議の中で、誰よりも冷静に『で、決定事項は何ですか?』と議事録を取り、明日までにタスクを割り振れますか?」

​PMOの仕事。

それは、高みの見物で指示を出す仕事ではありません。

プロジェクトという「巨大で不安定な生き物」が暴れ出さないように、手綱を引き、餌(リソース)を与え、排泄物(課題・リスク)を掃除する猛獣使い」のような仕事です。

​あなたが機能しなければ、定例会議はただの「おしゃべり」になり、進捗はブラックボックス化し、プロジェクトは静かに、しかし確実に死(納期遅延・品質崩壊)に向かいます。

PM(プロジェクトマネージャー)が「船長」なら、あなたは地図を読み、風を読み、船員を叩き起こして回る「航海士」です。

​今回は、そんな地味でストレスフル、しかしプロジェクトの生存率を劇的に上げるPMOに向いている人の「リアルな適性」を5つ紹介します。

必要なのは、PMPなどの資格だけではありません。

嫌われることを恐れずに事実を確認する「鈍感力」と、混沌を秩序に変える「構造化能力」です。

​特徴1:【進捗のストーカー】「嫌われても聞く」鋼のメンタル

​PMOのメイン業務の一つにして最大の難関が「進捗管理」です。

しかし、現場のメンバー(特に職人気質のエンジニアやクリエイター)にとって、「進捗どうですか?」と聞かれることほどウザいことはありません。

​「今やってるよ!」「聞かれると集中力が切れるんだよ!」「出来たら言うよ!」

と邪険に扱われることも日常茶飯事です。メンタルが弱いと、ここで「聞くのが怖い……」となってしまいます。

​向いている人は、ここで心が折れません。

「お忙しいところすみません。でも、今日中に状況が分からないと、テストチームが待機できなくて、結果的にあなたの作業が詰まります。30秒でいいので教えてください(ニッコリ)」

​相手に嫌われようが、煙たがられようが、必要な情報を回収するまでは離れない。

「私に嫌われることより、プロジェクトが遅れることの方が罪だ」と割り切れる。

この「愛あるストーカー気質」こそが、プロジェクトの遅延を未然に防ぎます。

​特徴2:【会議の交通整理員】「なんとなく」の議論を許さない

​プロジェクト会議(定例会)は、放っておくとすぐに脱線します。

声の大きい人が思いつきを喋り、技術的なマニアックな話に花が咲き、結論が出ないまま予定時間が過ぎていく……。

これを放置するのは、PMOの怠慢です。

​向いている人は、このカオスな状況で「交通整理(ファシリテーション)」を行います。

  • 脱線防止
    「あの、話がそれてます。面白い話ですが、今は『A案かB案か』を決める時間です。戻しましょう」
  • 決定の確認
    「部長、今の発言は『決定』ですか? それともただの『感想』ですか? 議事録に残すので明確にしてください」

​場の空気を読むのではなく、あえて「空気を止めて」でも、議論をゴール(決定)に導く。

参加者の時間を守るために、時には鬼になって話を遮る勇気を持つ。これができる人が、真のファシリテーターです。

​特徴3:【言語の翻訳家】「技術語」と「ビジネス語」を繋ぐ

​プロジェクトには、異なる言語を話す人種が混在しています。

エンジニアは「技術的負債が…」「APIの仕様変更が…」と話し、

営業や経営層は「ROI(費用対効果)が…」「納期遵守が…」と話します。

​お互いに「あいつら分かってない」と対立しがちですが、ここでPMOが「通訳」に入ります。

  • エンジニアへ
    「ビジネス側は、技術的な詳細はいいから『いつリリースできて、売上にどう貢献するか』を知りたいだけです。そこだけ抽出して報告しましょう」
  • ビジネス側へ
    「彼らが遅れているのはサボっているからではなく、将来の重大なバグを防ぐために、今、土台を作り直しているからです。ここは待つべきです」

​両者の言い分(コンテキスト)を理解し、翻訳して伝えることで、チームの分断を防ぐ。

あなたは、プロジェクトという多国籍軍の平和を守る「外交官」なのです。

​特徴4:【構造化の鬼】「カオス」を「TODOリスト」に変える

​炎上しているプロジェクトは、課題が山積みで、何から手を付ければいいか分からない状態(カオス)です。

「あれもダメ、これもダメ、もう終わりだ!」と現場がパニックになっている時、PMOだけは冷静でなければなりません。

​向いている人は、不安を「文字」と「図」にします。

「落ち着きましょう。今の問題を全部書き出してください」

そして、ホワイトボードやExcel(WBS:Work Breakdown Structure)を使って、

  1. 課題の棚卸し(何が起きているか)
  2. 優先順位付け(どれが致命傷か)
  3. 担当者の割り当て(誰がやるか)
  4. 期限の設定(いつまでか) を行います。

​モヤモヤした「不安」を、具体的な「タスク(作業)」に分解し整理整頓する。

この「構造化能力」がある人は、パニック状態のチームに「進むべき道筋」を見せることができます。

​特徴5:【炭鉱のカナリア】「なんかヤバい」を察知する嗅覚

​プロジェクトが失敗する時、必ずデジタルの数字には表れない「予兆(サイン)」があります。

  • ​「最近、Aチームのリーダーからの報告が、妙に楽観的だな(=都合の悪いことを隠している?)」
  • ​「BさんとCさん、会議でお互いの目を見ないな(=仲違いしている?)」
  • ​「お客様からの要件変更、口頭だけで『いいよ』って言ってないか?(=言った言わないトラブルの元)」

​向いている人は、この「不穏な空気」をいち早く察知します。

そして、PM(プロジェクトマネージャー)にこっそり耳打ちします。

「PM、ここ放置すると来月爆発しますよ。今のうちに手を打ちましょう」

​炭鉱でガス漏れを知らせるカナリアのように、「リスクの匂い」を嗅ぎ分ける直感。

これこそが、AIには代替できない、人間ならではの危機管理能力です。

​AI時代、PMOは「管理者」から「プロジェクト・アーキテクト」へ

​「スケジュール管理や議事録作成は、AIツールで自動化される」と言われます。

確かに、「会議の発言を文字起こしする」「ガントチャートの線を引く」だけの作業はAIがやるでしょう。

​しかし「進捗報告を渋るメンバーの本音を聞き出す」「対立する部署間の利害を調整する」「疲弊したメンバーのモチベーションを上げてチームビルディングする」ことは、AIにはできません。

​AIは、「今日はチームの雰囲気が悪いから、あえて雑談から入って空気をほぐそう」という「人間的な配慮」はできません。

AIは、無理難題を言うクライアントに対して、顔を立てながら上手く断ることはできません。

​面倒な事務作業から解放されたあなたは、より本質的な「どうすればチームが最高の結果を出せるか?」を設計する「プロジェクト・アーキテクト(設計者)」として、プロジェクト成功の鍵を握る存在になります。

​まとめ:あなたはプロジェクトの「心臓」だ

​もしあなたが、

「雑用ばかりやらされている気がする」

「みんなに急かしてばかりで嫌な役回りだ」

と悩んでいるなら、思い出してください。

​PM(プロジェクトマネージャー)が「脳」だとしたら、PMOは血液を全身に送り続ける「心臓(ペースメーカー)」です。

あなたが一定のリズムを刻み、情報を循環させなければ、プロジェクトは壊死してしまいます。

​華々しい手柄は、リリースの瞬間にPMやエンジニアに譲りましょう。

でも、プロジェクトが無事に終わった時、

「あいつがいなかったら、空中分解していたな」

「あの時、あいつが整理してくれなかったら終わってたな」

と、全員が密かに感謝し、一目置いているのは、あなたなのです。

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