「誰でもできる仕事」? いいえ、あなたは「F1カーのナビゲーター」です。
「営業事務なんて、言われた通りに見積書を作るだけの簡単な仕事でしょ?」
「誰でもできるから、給料が上がらなくても仕方ないよね」
もし、そんなふうに思っている人がいたら、現場を何も知らなさすぎます。
そしてもし、あなた自身がそう思って自信をなくしているなら、今すぐその認識を捨ててください。
営業事務の仕事。それは、前しか見ていない(そして時々暴走する)営業担当という「F1ドライバー」の横に座り、
「あ、そこ曲がり角です(リスク検知)」
「ガソリン(納期)足りてませんよ(スケジュール管理)」
「そのスピード(値引き率)だと事故りますよ(利益管理)」
と、時速300kmの世界で冷静に指示を出し、ゴールまで導く「ナビゲーター」の役割です。
ドライバー(営業)が表彰台でシャンパンを浴びている時、その横で泥だらけの地図を畳んでいるのがあなたです。
しかし、あなたがいないと、ドライバーは最初のカーブでクラッシュしています。
今回は、そんな過酷で、でも実は最高にクリエイティブな営業事務に向いている人の「リアルな適性」を5つ紹介します。
よくある「コミュニケーション能力がある」といった薄っぺらい特徴ではありません。
現場の修羅場をくぐり抜けてきた人だけがわかる、「真の才能」の話です。
特徴1:【以心伝心】「あれ、やっといて」の「あれ」が一瞬でわかる翻訳能力
営業担当は、常に忙しく、動き回り、そして言葉足らずです。
外出先の雑踏の中から電話がかかってきて、早口でこう言われます。
「あ、〇〇商事の件、いつもの『あれ』で出しといて!急ぎで!」(ガチャッ)
普通の人はパニックになります。「『あれ』って何!? 商品は? 数量は? いつものっていつのこと?」と。
しかし、営業事務に向いている人は、脳内のデータベースが一瞬で回転します。
- 検索開始:
「〇〇商事といえば、先週の定例会議で『新商品のA』を提案するって言ってたな」 - 履歴参照:
「『いつもの』ってことは、この会社特有の掛け率(70%)のことだな」 - 状況判断:
「『急ぎ』ってことは、今日の17時の集荷便に間に合わせたいんだな」
そして涼しい顔でチャットを返します。
「了解です。新商品Aを掛け率70%で、本日発送しておきますね。伝票番号は後で送ります」
この「文脈(コンテキスト)を読む力」。
主語のない曖昧な日本語を、過去の経緯と相手の性格を組み合わせて、正確なビジネスアクションに変換する「翻訳スキル」は、どんな高性能なAIにも真似できない職人芸です。
特徴2:【猛獣使い】「すごいですね〜」と転がしながら、手綱は握って離さない
営業マンという生き物は、基本的にプライドが高く、攻めるのは得意ですが守り(事務処理)は苦手です。そして打たれ弱いです。
彼らが気持ちよく外で戦うためには、社内での「アメとムチ」の使い分けが欠かせません。
「今月の目標達成、一番乗りですね!さすがです!」
と、満面の笑みで持ち上げてモチベーションを給油しつつ、
「ところで、経費精算のレシート、今日までに出さないと来月振込できませんよ(ニッコリ)」
と、言うべきこと(ムチ)はキッチリ言う。
向いているのは「人を動かすのが上手な人」です。
相手の性格に合わせて、「褒めて伸ばす」か「尻を叩いて動かす」か、「論理で攻める」か「情に訴える」かを瞬時に使い分ける。
まるで「猛獣使い」のように、自由奔放な営業マンたちを掌の上で転がし、必要な仕事を期日通りにやらせる手腕。
これは「事務」という枠を超えた、高度なマネジメント能力です。
特徴3:【ゴールキーパー】「0ひとつ」のミスを、違和感だけで見抜く
営業事務は、会社のお金(売上・利益)に直結する書類を扱います。
見積書の金額の「0」がひとつ多いだけで、あるいはお客様の名前の漢字を一文字間違えるだけで、会社の信用は吹き飛び、数千万円の損害が出ることもあります。
向いている人は、画面を見た瞬間に「なんか変だ」と感じるセンサーを持っています。
いちいち電卓を叩かなくても、
「この商品のボリュームで、この金額は高すぎる気がする」
「このお客様、いつもは20日締めなのに、今回は末締めになってるな」
パッと見の**「景色としての違和感」でミスを見抜くことができるのです。
営業マンが勢いだけで作った間違いだらけの見積書を、社外に出る前の最後の砦として食い止める「鉄壁のゴールキーパーです。
この「守り」があるからこそ、営業は安心して攻めることができます。
特徴4:【スイッチの達人】「謝罪」と「爆笑」を0.5秒で切り替える
営業事務の電話対応は、感情のジェットコースターです。
「納期が遅れてるぞ!どうなってるんだ!」と怒鳴るお客様からのクレーム電話を受けたとします。
あなたは誠心誠意、声のトーンを落として平謝りし、なんとかその場を収めます。
そして受話器を置いた(ガチャ)0.5秒後。
隣の席の営業マンに「ねえ、昨日のお土産のお菓子食べた?」と話しかけられ、
「えー、まだ食べてないです!美味しいですか?(笑)」
と、即座に明るい声で返す。
この「感情のスイッチ切り替え」の速さ。
いちいち前の電話のネガティブな感情を引きずっていたら、この仕事は身が持ちません。
どんなに理不尽なことがあっても、受話器を置いた瞬間にリセットできる「サバサバしたメンタル」を持っている人は、この仕事の天才です。
特徴5:【先回り愛】「ありがとう」と言われる前に、もう終わっている
「あー、あの会議の資料、そろそろ準備しないとな…」
と営業マンが思ってデスクに戻ると、すでに綺麗に製本された資料が置いてある。
「来客用の会議室、空いてるかな…」
と思ってスケジュールを見ると、「B会議室、仮押さえしておきました」とチャットが来ている。
向いている人は「相手が次に何を欲しがるか」が手に取るようにわかります。
言われてからやるのは三流。言われる前にやるのが一流。
「もしかして、超能力者?」と驚かれ、「君がいないと仕事ができないよ」と依存されることに、密かな快感を覚える「先回りオタク」。
この圧倒的なホスピタリティこそが、あなたの市場価値を「代わりのきく派遣さん」から「唯一無二のパートナー」へと引き上げます。
AI時代、営業事務は「入力係」から「バディ(相棒)」へ進化する
「事務処理はAIで自動化されるから、営業事務の仕事はなくなる」
そんなニュースを見て不安になる必要はありません。
確かに、注文書の内容をシステムに打ち込むだけの「入力作業」は消えるでしょう。
しかし、今回紹介した5つの才能を見てください。
「文脈を読む」「人のやる気を管理する」「違和感を察知する」「先回りして気遣う」。
これらは全て、AIが最も苦手とする人間力の塊です。
むしろ、AIが面倒な入力作業を肩代わりしてくれるおかげで、あなたはより深く営業担当に入り込み、戦略的な提案をしたり、顧客との関係を深めたりする時間が生まれます。
これからの営業事務は、単なる「Sales Assistant(営業補佐)」ではなく、営業成果を最大化させる「Sales Enablement(営業を勝たせるパートナー)」へと進化していきます。
あなたは「影の支配者」。自信を持って操ろう
もしあなたが、
「私は営業みたいに数字を作れないし…」
「直接お金を稼いでいないから…」
と引け目を感じているなら、今すぐその考えを捨ててください。
前線で戦う兵士(営業)が、弾切れもせず、道に迷いもせず、万全の状態で戦えているのは、あなたが補給物資を送り、地図を描き、背中を守っているからです。
実質的に、営業部のハンドルを握っているのは、助手席にいるあなたです。
「私がこのチームを回している」。
その誇りと、ほんの少しの「してやったり感」を持って、今日も自由な猛獣たちを華麗に操ってください。
あなたの「隠れた才能」と「お疲れ度」、こっそり測ってみませんか?
「記事を読んで『これ私のことかも?』と思ったけど、実際どうなんだろう?」
「営業さんの世話を焼きすぎて、最近ちょっと疲れ気味かも……」
そんなふうに思った方のために、うしろぽっけでは2つの無料診断を用意しました。
どちらも登録不要、休憩時間の1分でできるので、仕事の息抜きにポチポチっと遊んでみてください。
① 12問でわかる「バックオフィス適職診断」
一口に事務職と言っても、「コツコツ入力が得意なタイプ」もいれば、今回の記事のように「人をサポート・管理するのが得意なタイプ」もいます。
心理学(RIASEC理論)に基づいて、あなたの性格が一番輝くポジションを分析します。
② 笑うのに疲れたら。「職場ピエロ度診断」
営業事務は、チームの潤滑油として無理に明るく振る舞いがち。
「私が我慢すれば丸く収まる」と、笑顔の裏でストレスを溜め込んでいませんか?
そんなあなたの「心の摩耗度」を可視化してみませんか?