「誰にでもできる仕事」だと思っていませんか?
「総務って、蛍光灯を変えたり、備品を買ったりするだけの楽な仕事でしょ?」
もし転職活動中の面接で、あるいは親戚の集まりでそう言われたら、私は全力で否定します。
「とんでもない。総務こそ、会社で最も『人間力』が試される、高度な専門職です」と。
総務の仕事は、会社の「母親」であり「警察」であり「便利屋」であり、時には「カウンセラー」でもあります。
自分のルーチンワークをこなしている横から「コピー機が詰まった!」と呼び出され、電話が鳴り止まない中で契約書の不備を見つけ出し、社長の急な思いつきに対応する……。
そんなカオスな毎日を、涼しい顔でさばいていく総務職は、実は「マルチタスクのスペシャリスト」なのです。
「特別なスキルがないから、私には価値がない」
そんなふうに悩んでいる方がもしいたら、この記事を読んで自信を取り戻してください。
ここでは、教科書的な「コミュニケーション能力」といった薄っぺらい言葉ではなく、現場で本当に必要とされる「総務のリアルな適性」を5つ紹介します。
もしこれらに当てはまるなら、あなたはAIがどれだけ進化しても絶対に食いっぱぐれない、貴重な才能の持ち主です。
【中断耐性】「今ちょっといい?」に3秒で笑顔になれるスイッチ
総務の仕事における最大の敵を知っていますか?
それは、業務の難易度ではなく「割り込み(インタラプト)」です。
経理や法務の仕事は、ある程度自分のペースで進められます。しかし、総務は違います。
全神経を集中させて給与計算をしている最中に、
「すみません、エアコンが寒いんですけど」
「トイレの電球が切れてます」
「お菓子のお土産、どこに置けばいいですか?」
と、四方八方から容赦なく声がかかります。
普通の人は、集中を切らされるとイラッとします。「今、忙しいのに!」と顔に出てしまいます。
しかし、総務に向いている人は、この「思考のチャンネル切り替え」が異常に速いのです。
- 今の作業を「一時停止」ボタンで止める
- 「あ、電球ですね!すぐ交換します!」と笑顔で対応する
- 席に戻った瞬間、「再生」ボタンを押して、計算の続きに戻る
このサイクルを1日に何十回繰り返しても、脳がショートしない。
この「中断されてもイライラしないメンタル」と「瞬時のリカバリー能力」こそが、総務最強のスキルです。AIはタスクを同時にこなせますが、「笑顔で中断を受け入れる」ことはできません。
特徴2:【黒子マインド】「やって当たり前」の中で自分なりの美学を持てる
営業なら「売上達成!」で表彰されます。開発なら「新機能リリース!」で注目されます。
しかし、総務が「今月はトイレットペーパーを一度も切らしませんでした!」と発表しても、誰も褒めてくれません。拍手も起きません。
なぜなら、「マイナスにならないこと(ゼロを維持すること)」が総務の成果だからです。
この「褒められない環境」に耐えられるかどうかが、適性の分かれ道です。
向いているのは、「他人の評価」ではなく「自己満足」でご飯が食べられる人です。
- 「今日のファイリング、背表紙がミリ単位で揃ってて気持ちいいな…(うっとり)」
- 「誰も気づいてないけど、実は消耗品の業者を変えて、年間コストを5%下げたんだよね(ニヤリ)」
そんなふうに、誰にも見られない場所で、こっそりと自分の仕事に酔いしれることができる人。
「縁の下の力持ち」という言葉がありますが、力持ちである自分を楽しめる「職人気質」こそが、この仕事を長く続ける秘訣です。
特徴3:【察知力】オフィスの「空気の淀み」を、センサーのように感知する
「あの部署、最近残業が増えて空気がピリピリしてるな」
「〇〇さん、いつも元気なのに今日は挨拶の声が小さいな。何かあったのかな?」
総務は、会社の「心臓」や「自律神経」のような役割を果たしています。
社員の顔色や、オフィスの雰囲気の微妙な変化に、誰よりも早く気づく必要があります。
鈍感な人は、「なんか最近離職率が高いな?」と、手遅れになってから数字を見て気づきます。これでは遅いのです。
向いている人は、「なんとなく嫌な予感がする」という直感(違和感)を大切にできる人です。
その直感に従って、さりげなくお菓子を配りに行ったり、「最近どうですか?」と声をかけたり、上司にこっそり報告したりする。
この「組織の防波堤」としての動きは、データ化できない「空気」を読む人間にしかできません。
特徴4:【広浅(ひろあさ)好き】「スペシャリスト」より「ゼネラリスト」を楽しめる
経理は「数字」のプロ、人事は「採用・労務」のプロですが、総務は「雑学のプロ」です。
求められる知識の幅は、とてつもなく広いです。
- 法律: 契約書のチェック、株主総会の運営
- 防災: 避難ルートの確保、備蓄品の管理
- 冠婚葬祭: 慶弔電報の打ち方、ご祝儀のマナー
- ファシリティ: エアコンの修繕、害虫駆除、Wi-Fiのトラブル対応
「一つのことを極めたい!」という研究者タイプの人には、この「何でも屋」状態は苦痛かもしれません。
逆に、「飽きっぽいけど、新しいことを知るのは好き」という好奇心旺盛な人には天職です。
昨日まで法律の本を読んでいたのに、今日は害虫駆除業者と打ち合わせをする。そんな「毎日の予測不能な変化」をゲームのように楽しめる柔軟性が必要です。
特徴5:【慈愛と冷徹】「社員のため」と言いつつ、「ダメなものはダメ」と言える
総務は「みんなのお世話係」ですが、同時に「会社のルールを守る門番(ゲートキーパー)」でもあります。
ここが一番難しいところです。
「経費精算、期限過ぎちゃったけどなんとかならない?(うるうる)」
と営業さんに頼まれた時、優しさだけで「今回だけだよ」と言ってしまう人は、実は総務に向いていません。それを許すと、会社全体の規律が崩れるからです。
本当に向いているのは、
「お気持ちは痛いほどわかりますが、ルールなのでダメなんです(ニッコリ)」
と言える人です。
相手の事情を受け止める「包容力」と、会社を守るための「規律」を使い分けられるバランス感覚。
「嫌われる勇気」を持った優しさこそが、本当の意味で社員を守り、会社を守るのです。
なぜ、AI時代に「総務」の価値が上がるのか?(キャリアの展望)
「事務仕事はAIになくなる」とよく言われます。
確かに、データ入力や単純な計算、定型的なメール返信はAIに置き換わるでしょう。
しかし、今回挙げた5つの特徴をもう一度見てください。
「空気を読む」「急な割り込みに笑顔で対応する」「人の気持ちに配慮しながら断る」。
これらは全て、AIが最も苦手とする「高度な人間力(ヒューマンスキル)」です。
総務という仕事は、単なる事務処理係ではありません。
デジタル化が進む冷たいオフィスの中で、人間同士の摩擦を減らし、組織を円滑に回す「潤滑油」です。
AIが進化すればするほど、効率だけでは解決できない問題が増えます。その時、この「人間臭い調整能力」を持つ人材の市場価値は、間違いなく高騰します。
あなたは「何でも屋」ではなく「会社のOS」です。
もしあなたが、
「私って、特別な専門スキルがないから…」
と自信をなくしているなら、それは大きな間違いです。
専門スキルがないのではなく「守備範囲が広すぎて、一言で説明できない」だけです。
あなたが備品を補充し、電話を取り、空気を読み、トラブルを未然に防いでくれているおかげで、他の社員は仕事ができています。
あなたはパソコンで言えば「OS(オペレーティングシステム)」です。
アプリ(営業や開発などの専門職)が動くのは、OS(総務)が裏で安定稼働しているからです。OSが止まれば、どんな優秀なアプリも動きません。
どうか、その「地味ですごい才能」に誇りを持ってください。
世界中のオフィスが、あなたのその「気づく力」と「さばく力」を待っています。
あなたの「隠れた才能」と「お疲れ度」、こっそり測ってみませんか?
「記事を読んで『これ私のことかも?』と思ったけど、実際どうなんだろう?」
「空気を読みすぎて、最近ちょっと疲れているかも……」
そんなふうに思った方のために、うしろぽっけでは2つの無料診断を用意しました。
どちらも登録不要、休憩時間の1分でできるので、仕事の息抜きにポチポチっと遊んでみてください。
① 12問でわかる「バックオフィス適職診断」
一口に事務職と言っても、「黙々と作業するのが得意なタイプ(職人)」もいれば、「人のサポートに喜びを感じるタイプ(サポーター)」もいます。
心理学(RIASEC理論)に基づいて、あなたの性格が一番輝くポジションを分析します。
あなたの「隠れた才能」と「お疲れ度」をこっそり測ってみませんか?
「記事を読んで『これ私のことかも?』と思ったけど、実際どうなんだろう?」
「空気を読みすぎて、最近ちょっと疲れているかも……」
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どちらも登録不要、休憩時間の1分でできるので、仕事の息抜きにポチポチっと遊んでみてください。
① 12問でわかる「バックオフィス適職診断」
一口に事務職と言っても、「黙々と作業するのが得意なタイプ(職人)」もいれば、「人のサポートに喜びを感じるタイプ(サポーター)」もいます。
心理学(RIASEC理論)に基づいて、あなたの性格が一番輝くポジションを分析します。
② 笑うのに疲れたら。「職場ピエロ度診断」
総務に向いている人は、職場の空気を読むあまり、ついつい「道化(ピエロ)」を演じてしまいがち。
チャットで「!」を使いすぎたり、会議の沈黙が怖くて自虐ネタを言ってしまう……。
そんなあなたの「心の摩耗度」を可視化してみませんか?