「先生」と呼ばれるのは最初だけ
スーツを着た「デジタル土方」
「コンサルタント」「PMO」。
その響きには、企業の課題を鮮やかに解決するエリートのイメージがあります。
「あなたの知見で、我が社を救ってください」と頼られる自分。高層ビルのオフィス、MacBook、ホワイトボードを使った議論。
そんな自分を夢見て業界に入った若者が最初に配属されるのは、窓のないサーバールームか、顧客のオフィスの片隅です。
そこで命じられるのは、経営戦略の立案ではなく「膨大なテストのエビデンス(証拠)として、画面のスクリーンショットをExcelに貼り続ける作業」です。
自分は「商品」である
この業界に入って最も衝撃を受けるのは、自分が「人月単価(1ヶ月いくら)」で売られる商品であるという事実です。
「君は来月からA社のプロジェクトね。単価は120万だから」
まるでスーパーの野菜のように値付けされ、知らない現場へ出荷(ドナドナ)される。
そこに行けば「外部の人」として扱われ、プロジェクトが終われば「さようなら」
帰属意識を持つ場所もなく、ただスキルを切り売りして漂流する。
この記事では、キラキラした横文字の職種名に隠された「現代の傭兵(IT土方)」としての採用ギャップを解剖します。
1. 「論理的思考」より「パワポお絵描き」能力
議事録という名の「言質取りゲーム」
コンサルタントの若手(アナリスト・アソシエイト級)の主業務は、会議の議事録作成です。
しかし、これは単なるメモではありません。
後で「言った言わない」の戦争になった時、自社を守るための「法的証拠書類」を作成する作業です。
「あの一瞬のボソッとした発言、拾った?」「この表現だとウチの責任になるから書き直して」
一言一句に神経を尖らせ、録音を何度も聞き直し、深夜まで修正する。
求めていたのは「クリエイティブな議論」だったのに、やっていることは「高度な速記と責任回避の文章術」です。
「パワポ職人」への特化
「資料作成」もまた、ギャップの温床です。
顧客(クライアント)の偉いおじさんたちは、中身よりも「見た目」を気にします。
「ここの青、もう少し薄くして」「図形の位置、1ミリずれてない?」。
本質的な課題解決よりも「いかに美しい紙芝居を作るか」に命をかける。
ショートカットキーを駆使して、神速で図形を整列させるスキルだけが上がり、「俺、なんのプロだっけ?」と自問自答する深夜3時。これが現場のリアルです。
2. 「案件ガチャ」と「アウェイの孤独」
運命は「ガチャ」で決まる
客先常駐(SES)やコンサルの運命は、配属されるプロジェクト、いわゆる「案件ガチャ」ですべてが決まります。
- SSR(当たり)
最新技術を使える、チームの雰囲気が良い、定時で帰れる。 - N(ハズレ)
炎上案件(デスマーチ)、レガシーなシステム(COBOLなど)、パワハラ顧客。
恐ろしいのは、自分に拒否権がほとんどないことです。
「キャリアプラン? そんなことより、今人が足りない炎上現場に行ってくれ」。
会社の都合で、地獄行きの切符を渡される。自分の人生なのに、ハンドルを他人に握られている感覚が、精神を蝕みます。
永遠の「お客様」扱い
常駐先の社員と仲良くなっても、壁は消えません。
「あ、ここから先は社員専用ミーティングなんで(席を外してね)」。
飲み会に誘われても「経費で落ちる社員」と「自腹の自分」。
どれだけ貢献しても、結局は「外注さん」。
自社に帰れば「お前誰だっけ?」という顔をされ、常駐先では「よそ者」。
「世界中のどこにも、自分の椅子がない」という根無し草の孤独は、コンサル特有の職業病です。
【「よそ者」を演じていませんか?】
「私は外部の人間だから」と線を引いて、感情を殺して働いていませんか?
ドライに徹するのは防衛本能ですが、心が冷え切っていませんか? あなたが職場で「仮面を被った傭兵(ピエロ)」になっていないか、診断してみましょう。
👉 職場でのピエロ度、気づかれ度を診断する
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3. 「ハッタリ力」だけがついていく
知ったかぶりのプロ
コンサルタントは、知らないことでも「知っています」という顔をするのが仕事です。
昨日Googleで調べただけの知識を、さも長年の経験のように語り、顧客を安心させる。
これを「キャッチアップ(という名の泥縄)」と呼びます。
最初は罪悪感がありますが、次第に「ハッタリ」がうまくなります。
しかし、ふと我に返ると、「自分には実体がない」という恐怖(インポスター症候群)に襲われます。
「口だけ達者で、自分では何も作れない人間になっていないか?」
事業会社への転職の壁
「コンサル出身です」と言うと、事業会社(一般企業)からは警戒されることがあります。
「理屈ばかりで手を動かさないんでしょ?」「うちは高給出せないよ」。
現場を知らないまま上流工程ばかりやってきた結果、「評論家」になってしまい、地に足のついた業務ができなくなる。
「年収は高いが、潰しが効かない」という、黄金の鳥籠に閉じ込められるリスクがあります。
4. 面接で見抜く「人売り」回避術
「プライム」か「多重下請け」か
同じコンサル・SESでも、立ち位置によって天国と地獄が分かれます。
1. 商流(商売の流れ)の確認
- 質問
「主な案件は、エンドユーザー(顧客)との直契約(プライム)でしょうか? それとも、SIer様などを挟んだ二次請け、三次請けでしょうか?」 - 狙い
「二次請け以下」の場合、決定権がなく、ただの作業員として扱われる可能性が高いです。「直契約」の比率が高い会社を選びましょう。
2. 案件選択の自由度
- 質問
「配属プロジェクトを決める際、エンジニア本人の希望はどの程度考慮されますか? 拒否権はありますか?」 - 狙い
「最大限考慮しますが、会社の状況によります」は「拒否権なし」の意味です。「案件選択制度がある」「社内公募がある」など、具体的な制度がある会社を探してください。
3. 評価制度の軸
- 質問
「評価は『単価(いくらで売れたか)』と『稼働率』のどちらが重視されますか?」 - 狙い
「稼働率(とにかく現場にいればOK)」重視の会社は、放置プレイの傾向があります。「顧客からの評価」や「スキルアップ」を見てくれる会社か確認しましょう。
「ハッタリ」ではない「自信」の演技指導
コンサルタントには、自信のある態度が必要です。しかし、それは「偉そうにする」ことではありません。
「わからないこと」を、プロとしてどう伝えるか。
【面接・交渉練習ツール:Reflect(リフレクト)】
うしろぽっけの「Reflect」で、クライアントからの無茶振りに対する返しを練習してみましょう。
Scene:未経験のツールについて「これ、できる?」と聞かれた時
×「やったことないです(素直すぎる)」
×「できます!(嘘)」
〇「そのツール自体の経験はありませんが、類似の〇〇の使用経験があり、構造は理解しています。1週間でキャッチアップして業務に適用可能です」
この「Yes, but(条件付きイエス)」を、いかに頼もしい表情で言えるか。
鏡を見るだけではわかりません。録画して、「頼りになりそうな顔」ができているかチェックしてください。それがあなたの単価を上げます。
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締め:あなたは「商品」ではなく「職人」だ
ITコンサルやSESは、現代の産業を支える重要な仕事です。
しかし、会社によってはあなたを「右から左へ流すだけの商品」として扱います。
自分を安売りしてはいけません。
あなたは、技術と知見を持った「職人」です。
その誇りを守れる場所、あなたの「道具(スキル)」を正しく評価してくれる場所を選んでください。
【あなたの適正は「外の人」?「中の人」?】
漂流することに疲れたなら、腰を据えて自社サービスを育てる「事業会社」や、特定の領域を極める「専門職」が向いているかもしれません。
あなたの魂の安住の地を、診断で見つけませんか?
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