開発秘話「なぜパスワードを預からない監査ツールを作ったのか」

こんにちわ。「うしろぽっけ」代表です。

先日、新しく「Security Auditor Pro(パスワード監査ツール)」を当サイト内で公開しました。
今回は、このツールをなぜ作ったのか、そして技術的な「こだわり」について、少しだけ舞台裏をお話しさせてください。

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バックオフィスの現場では常に「パスワードを使い回さないで」「複雑な設定を」とアナウンスし続けています。しかし、正直に言って「本当に守られているか」を確かめる術が、これまで管理者にはありませんでした。

​「社員のパスワードを一度リスト化して集めて、流出していないかチェックしようか?」そんな考えが頭をよぎっても、即座に打ち消されます。なぜなら、「パスワードを集めること自体が、最大のセキュリティリスク」だからです。​

守るために集めたいけれど、集めることが危険。この矛盾を、技術で「そっと削ぎ落とす」ことができないか。それが開発のスタート地点でした。

​このツール最大の特徴は、「あなたのパスワードを、私(運営者)も、外部サーバーも、誰も一度も見ることがない」という点です。

​これを実現するために「k-Anonymity(k-匿名性)」という高度な手法を採用しました。​

仕組みはこうです。​

  1. あなたのブラウザの中で、パスワードを複雑な文字列(ハッシュ値)に変換します。
  2. ​その文字列の「最初の5文字」だけを、世界的な流出データベースに問い合わせます。
  3. ​データベースからは「その5文字で始まる、漏洩済みの候補リスト」がドサッと返ってきます。​
  4. 返ってきたリストの中に、自分のパスワードと一致するものがあるかをらあなたのパソコンの中で照合します。

つまり、外に出るのは「パスワードの断片のそのまた断片」だけ。指紋そのものを渡すのではなく「渦巻き模様の右上の、1ミリだけの形」を伝えて一致する指紋集を借りてきて自分で調べるようなものです。これなら、極めて安全に監査ができます。

​うしろぽっけが大切にしているのは、どんなに優れた技術も、現場で使えなければ意味がないということです。​

このツールには実務をスムーズにするための「3つの執念」を詰め込みました。

  • 「とりあえず1列目」の精神
    ExcelやCSVから「パスワードの列」をコピーして読み込ませるだけ。氏名などの個人情報を紐づける必要はありません。
  • 「使い捨て」の潔さ
    データはブラウザを閉じれば、メモリから綺麗さっぱり消えます。履歴も残りません。
  • 「監査報告書」への直行便
    監査ボタンを押した後、そのままPDFとして出力できるようにしました。経営層や上司に「現状の組織リスク」を客観的な数字で報告するための武器になります。

​セキュリティ対策は、一度やって終わりではありません。かといって、毎日ピリピリと神経を尖らせるのも疲れてしまいます。

​だからこそ、必要な時に、後ろポケットからサッと取り出して「ちょっと点検してみようか」と使える、そんな気軽な道具でありたいと思っています。

​このツールが、あなたの組織を守る「目立たないけれど頼もしい相棒」になれば幸いです。

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