「従業員1人あたり月額300円」
一見安く見えますが、社員が30人いれば月9,000円。年間で約11万円。
さらに「初期費用」や「オプション機能」を含めると、気づけば年間数十万円の固定費が飛んでいく。
それが「勤怠管理システム」です。
もちろん、数百人規模の企業なら、法対応やシフト管理が完璧な有料システムは必須でしょう。
しかし、社員数名のスタートアップや、小規模な部署で、本当にその「高機能」が必要でしょうか?
「出社と退社の時間がわかればいい」
「月末に合計時間がCSVで出ればそれでいい」
もし、あなたの要望がそのレベルなら、お金を払う必要はありません。
Googleが無料で提供しているツールだけで、スマホ対応の「自社製・勤怠システム」は30分で作れます。
今回は、SaaS解約への第一歩として、Googleフォームとスプレッドシートを使った「0円勤怠システム」の作り方を解説します。
1. 0円で作る「システム」の全貌
仕組みは驚くほど単純です。
- 入力画面(スマホ対応)
「Googleフォーム」を使う。 - データベース(記録)
回答が自動で「スプレッドシート」に溜まる。 - 集計・給与計算
スプレッドシートの関数(ピボットテーブル等)で自動計算する。
これだけです。
専用のアプリをインストールする必要もありません。社員にはQRコードを読み込んでもらい、フォームをブックマークしてもらうだけ。
Wi-Fiさえあれば、どこでも打刻可能です。
Step 1:打刻用の「Googleフォーム」を作る
まずは、社員がスマホでポチッとする画面を作ります。
- Googleフォームを新規作成し、タイトルを「〇〇社 勤怠打刻」にする。
- 以下の質問を作ります。
<!– end list –>
- 質問1:氏名(プルダウン形式)
- 社員全員の名前を選択肢に入れておきます。入力ミスを防ぐため、自由入力にはしないでください。
- 質問2:打刻種別(ラジオボタン形式)
- 「出勤」「退勤」「休憩開始」「休憩終了」の4つを作ります。
- 質問3:備考(記述式・任意)
- 「電車遅延」などを書くスペースです。
★ここがポイント!
「時刻」を入力させる質問は不要です。Googleフォームは、送信ボタンを押した瞬間の「タイムスタンプ(日時)」を自動で記録してくれるからです。不正打刻(時間を偽って入力すること)の防止にもなります。
Step 2:データが溜まる「スプレッドシート」を整える
フォームができたら、回答タブにある「スプレッドシートのアイコン」をクリックして、連携シートを作成します。
テストで一度フォームから送信してみましょう。
| タイムスタンプ | 氏名 | 打刻種別 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2026/01/27 8:55:00 | 佐藤 | 出勤 | |
| 2026/01/27 18:05:00 | 佐藤 | 退勤 |
このように、データが勝手に溜まっていきます。これが「生のデータベース」になります。
Step 3:【魔法】自動集計シートを作る
ここからが「開発」です。
生のデータは見づらいので、別シートに「今月、誰が何時間働いたか」が見える表を作ります。
スプレッドシートの強力な関数「QUERY(クエリ)」を使います。
新しいシートを追加し、A1セルに以下の呪文(関数)を入れてみてください。
(※シート名は適宜読み替えてください)
=QUERY('フォームの回答 1'!A:C, "select B, C, count(A) where A is not null group by B, C pivot month(A)+1", 1)
これを応用すれば、「佐藤さんの、1月の、出勤と退勤の回数」などが一瞬で集計されます。
さらに、ARRAYFORMULA や VLOOKUP を組み合わせれば、「出勤時間と退勤時間の差分」=「実働時間」を自動計算することも可能です。
これで、月末の作業は「シートをPDFにして税理士に送るだけ」になります。
メリットとデメリット(正直な話)
「タダより高いものはない」と言いますが、このDIYシステムには明確な向き・不向きがあります。
メリット(天国)
- コスト0円
人数が増えても、何年使っても0円。 - カスタマイズ無限大
「体調はどうですか?」という項目を追加したり、現場の写真を添付させたり、自由自在。 - データが手元にある
SaaSと違い、データは全て自社のGoogleドライブにあります。いつでも加工・分析可能です。
デメリット(地獄)
- 法改正への自動対応がない
有給休暇の義務化や残業規制など、法律が変わったら自分で計算式を直す必要があります。 - 設定が少し面倒
最初の集計用関数の作成には、Excel中級レベルの知識が必要です。 - デザインが地味
どう頑張っても「Googleフォーム」の見た目です。
結論:まずは「0円」で始めて、限界が来たら乗り換えればいい
「最初から完璧な高いシステム」を入れる必要はありません。
社員が10人くらいまでなら、このGoogleフォーム式で十分回ります。
浮いた年間10万円で、社員に美味しいランチをご馳走したり、新しいPCを買ってあげたりする方が、よほど「働き方改革」になると思いませんか?
もし、「やってみたいけど、Step 3の計算式が難しくて挫折した……」という場合や、「もっとスマホアプリっぽい画面(AppSheet)で作ってほしい」という場合は「うしろぽっけ」にご相談ください。
- 御社の就業規則(残業計算など)に合わせた集計シートの作成
- 「直行・直帰」に対応したGPS位置情報の取得機能
- SlackやLINEへの「遅刻アラート」通知
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