「今度、新しく立ち上がるプロジェクトの事務局をお願いね」そう言われて、「はい、わかりました」と引き受けたものの、内心では「……で、事務局って具体的に何をするの?」と戸惑ったことはないでしょうか?
Googleで『事務局 仕事内容』と検索すれば、それらしい答えはたくさん出てきます。
- 会議の設定
- 議事録の作成
- スケジュール管理
- 連絡調整
- 資料の作成/管理
……たしかに正解です。でも、実際の現場はそんなにスマートじゃありません。
気づけば、誰のものか分からない「こぼれ落ちた仕事」がすべて事務局に回ってきて、本来やりたかったはずの運営業務が、膨大な雑用(シュレッダー、弁当の手配、名前もなき確認作業)に飲み込まれていく。
「私は事務局じゃなくて、ただの『何でも屋』なんじゃないか?」
そう感じてしまうのは、あなたのスキル不足ではなく、事務局という組織の「境界線」が引けていないからです。
この記事では、事務局が「ただの便利屋」として使い潰されないための役割分担のコツと、組織の心臓として機能するための考え方を、バックオフィス支援の現場視点で、どこよりも泥臭く、人間くさく解説します。
「場所」じゃなくて「機能」になれるか
よく「事務局と事務所って何が違うの?」と聞かれますが、これ、実はすごく根の深い問題です。
事務所っていうのは、極論、机と椅子があって電話が鳴る「ハコ(場所)」のこと。
でも、私たちがやらなきゃいけない「事務局」は、そのハコの中で誰かが呼吸をして、組織に血を巡らせる「動き」そのものです。
ここを勘違いしているリーダーの下につくと、悲劇が始まります。
「あそこに事務局(場所)があるから、適当に放り込んでおけばいいだろう」と思われる。
こうなると、事務局はただの「ゴミ箱」です。
本来、事務局がやるべきなのは、バラバラに動いているメンバーの間に立って
「Aさんはこう言ってるけど、Bさんの進捗だと間に合わないから、私がここで調整を入れよう」と、組織のつなぎ目になること。
でも、現実はどうですか?
「あの、お弁当のゴミってどこに捨てればいいですか?」
「コピー機のトナーが切れたんですけど」
そんなことまで事務局の仕事にされて、一日が終わる。
これ、事務局が「機能(ハブ)」として動けていないんじゃなくて、周りから「何でもやってくれる便利な場所」だと思われていることが原因だと思うんです。
この「場所」扱いに甘んじるか、それとも「組織を動かす一員」として線を引くか。
その瀬戸際が、最初の役割分担にかかっています。
結局、「誰がやるの?」の押し付け合い
事務局をやっていて一番しんどいのは、誰もやりたがらない「名前のない仕事」が、磁石みたいに全部自分に吸い寄せられてくることです。
例えば、会議の調整。「日程を調整して、URLを送るだけ」なら楽ですよ。でも現実は、
- 全然回答してこない人に、嫌われ役になって3回リマインドを送る
- 当日になって「資料、紙でも欲しかったな」とボソッと言われて慌ててコンビニに走る
- 会議中に全然関係ない愚痴が始まって必死に話を本筋に戻す
これ、役割分担の表には「スケジュール調整」「会議運営」としか書いてありません。でも、実際に削られているのは、こっちの精神的なエネルギーです。
現場でよく起きるのが、上の人間が「これ、事務局でやっといて」と軽く投げてくるシーン。
「やっといて」の中身には、何十個もの細かい確認作業と、相手への気遣いが詰まっているのに、投げた本人はそれが「一つの作業」だと思っている。
ここで、善意で「はい、やっておきます」と全部拾ってしまうと、事務局のライフは一気にゼロになります。
相手は「あ、これ事務局が拾ってくれるんだ」と学習して、次からもっと雑に放り込んでくるようになる。
役割分担っていうのは、単にExcelの表を埋めることじゃありません。
「これは私がやるけど、ここから先はあなたの責任ですよ」という見えないテリトリー争いに近いと感じます。
「資料は作りますが、内容の最終チェックは〇〇さん、あなたの仕事です」
「リマインドは1回送りますが、それで返信がなければ会議から外します」
冷たく聞こえるかもしれないけれど、ここまで踏み込んで線を引かないと、事務局は機能しなくなります。全員の顔色を伺って、全部の「こぼれ球」を拾いに行っていたら、いつか必ず、組織の心臓であるあなたが止まってしまいます。
感情を消耗させないために、あえて「無機質」を挟む
事務局が疲弊する最大の原因は、人間関係の摩擦です。
「あの人にまた催促するの嫌だな」
「部長がまた変な指示出してきたけど、聞き返すのが面倒くさい」
この「嫌だな」という感情のコストを、自分の精神力で支払ってはいけません。
そこで「うしろぽっけ」が提案したいのは、あえてツールやデザインという「無機質なもの」を間に挟んで、自分の代わりに戦わせることです。
例えば、リマインド一つとっても、自分の言葉でメールを書くと「何度もすみません……」とか「お忙しいところ申し訳ないのですが……」という、削らなくていい気遣いが発生します。
これを、
- スマホで見やすい、一目で「あ、これやらなきゃ」とわかる可愛いボタン。
- ポチッと押すだけで完了する、ぷっくりした使い心地の良い入力フォーム。
そんな「仕組み」に置き換えてしまうんです。
「私がうるさく言っている」のではなく「システム(うしろぽっけ)がそう言っている」という状態を作るんです。
事務局がやるべきことは、自分が動くことじゃありません。
周りの人間が、「つい、動いてしまいたくなるような舞台」をデザインすることなんです。
入力が面倒なExcelを配るから、みんな返信してこない。
文字がぎっしりの連絡事項を送るから、誰も読まない。
これ、実は事務局の努力不足じゃなくて、使っている「道具」のせいで、あなたの負担が増えているだけかもしれません。
うしろぽっけが目指すのは、事務局のあなたが「もう嫌だ」と匙を投げる前に、その重たい荷物を少しだけ肩代わりする、健全な仕組みです。
まとめ:あなたは「何でも屋」じゃない
事務局の仕事は、誰かが投げた「こぼれ球」を拾い続けることではありません。
「名前のない雑務」に名前をつけ、線を弾き、時にはシステムを間に挟んで、自分を守りながら組織を動かすことです。
もし今、あなたが「どこから手をつければいいのか」「この非効率な状況をどう変えればいいのか」と一人で抱え込んでいるなら、その現状を整理するところからお手伝いします。
- 今の事務局体制をどうにか整理したい
- アナログすぎる連絡フローをスマホで完結させたい
- 「何でも屋」を卒業して本来の運営に集中したい
現場の泥臭い悩み、そのままぶつけてください。具体的な解決策を一緒に考えていきましょう。