屋外での活動を主催するすべての人にとって、天気予報を確認することはルーチンです。しかし、予報画面を見ながら「7時から雨があがるか」「15時から雨か…でも、このくらいの降り方ならグラウンドは保つかな?」「気温は28℃だけど、人工芝だからもっと暑くなるな」と、頭の中で二次的な計算を繰り返した経験はないでしょうか。
このツールは、そんな「予報を見てから、自分の現場に当てはめて考える」という思考の負担を解消するために開発されました。
予報という「数字」を、現場の「コンディション」へ変換する
一般的な天気予報が提供するのは「大気のデータ」です。しかし、私たちが本当に知りたいのは「地面と体のコンディション」です。本ツールは、取得した気象データに以下の独自の解析プロセスを加えています。
「人工芝の照り返し」を計算に含める
人工芝のグラウンドは、日光による蓄熱が土よりも激しく、周囲の気温よりも体感温度が数度高くなることが知られています。このツールでは、ユーザーが「人工芝」を選択した場合、気温が25℃を超えると自動的にWBGT(暑さ指数)の算出ロジックを補正し、より厳しいリスク判定を行うよう設計されています。
「土のぬかるみ」を累積雨量から推測する
「今は晴れているけれど、午前中に大雨が降ったから地面がドロドロかもしれない」。そんな不安に対し、本ツールは過去24時間の累積降水量をバックグラウンドで集計。現在の天候だけでなく、これまでの雨が「地面に残した影響」を「ぬかるみ注意」という形で可視化します。
「競技リスク」としての風速・気温判定
風速5m以上は、テントの設営が危険になり、ボールを扱う競技では戦略が変わる境界線です。また、気温12℃以下は選手の怪我のリスクが高まるラインです。こうした「競技特有の閾値(しきいち)」に基づき、注意喚起を行います。
独自のWBGT(暑さ指数)算出ロジックの導入
熱中症予防において、気温以上に重要なのが「湿度」を含んだWBGT(暑さ指数)です。本ツールでは、気象APIから取得した気温と湿度のデータを基に、以下の推定式を用いて1時間ごとのリスクを算出しています。
$$WBGT \approx (0.735 \times t) + (0.0374 \times h) + (0.00292 \times t \times h) – 4.064$$($t$: 気温、$h$: 湿度)
この計算を自動で行うことで、「気温はそこまで高くないが、湿度が高いために実は危険な状態」という、人間の感覚では見落としがちな盲点をデータで指摘します。
Google Maps APIとの連携による「場所」の特定
「〇〇市」という広域の予報では、山沿いの公園と海沿いのスタジアムの差を埋められません。 本ツールは、Google Maps APIのオートコンプリート機能を搭載。特定の競技場名や公園名を入力することで正確な緯度・経度を特定し、その「ピンポイントな地点」の予報をOpen-Meteo APIから引き出します。
判断の摩擦を削ぎ落とし、次の一手を早める
このツールの目的は、データの羅列を見せることではありません。 「活動OK」「運動中止推奨」「日傘必須」「寒暖差注意」といった、結論に近いアウトプットを出すことです。
「今日、できるかな?」
その問いに対し、ブラウザを開いて場所を入力するだけで、必要なすべての根拠が1画面に揃う。 経験や勘に頼っていた現場の判断に、客観的な「予報のその先」の視点を付け加える。それがこのコンディション解析ツールの存在意義です。
まとめ:「予報」を「確信」に変えるために
私たちがこの「グラウンドコンディション解析ツール」で実現したかったのは、単なる情報の提供ではありません。それは、現場に立つ人が抱く**「今日、本当に大丈夫だろうか?」という不安を、客観的なデータに基づいた「判断」へ変えること**です。
- 多角的な解析:
気温・湿度・風速・降水量、そして地面の性質。バラバラに存在していたデータを一つのアルゴリズムで統合しました。 - 判断のスピードアップ:
複数のサイトを確認する手間を省き、1画面で「活動リスク」と「必要な準備」を可視化します。 - 現場ファーストの精度:
緯度経度に基づいたピンポイントな地点解析により、広域予報では届かない「その場所」の真実を映し出します。
天気予報のその先にある「コンディション」を読み解く力は、参加者の安全を守り、イベントの質を高めるための強力な武器になります。
あなたの「今日できるかな?」という問いに、このツールが明確な答えと安心をもたらすことを願っています。ぜひ、次の活動の判断材料として、後ろポケットに忍ばせてみてください。